コンクリート中の電気抵抗値を測定する様子
コンクリート中の電気抵抗値を測定する様子
コンクリートの養生
コンクリートの養生
現場構造物を遠隔地にてモニタリングするイメージ
現場構造物を遠隔地にてモニタリングするイメージ

土木工学科の伊代田岳史准教授は、電気抵抗値を測ることで、施工中のコンクリートの硬化状態を定量的に把握できるシステムを開発しました。

構造物の建設過程において、型枠に流し込んだコンクリートが十分に硬化するまでビニールシートなどで覆い、常に温度や水分状態を保つ「養生」をする必要がありますが、目安とする養生の期間はコンクリートの種類や気候・温度などの条件の違いに関わらず一律に定められてしまっていました。

伊代田准教授は、今回開発したシステムを用いることでコンクリート養生状態の把握やその後の強度・耐久性ならびに寿命を推測することを可能としました。今後は無線ネットワーク技術と連携し、現場にいなくとも、施工中のコンクリートの状況を効率的に管理できるシステムの実用化をめざしていきます。

施工中のコンクリートは、その種類や気候・温度などによって状態が異なるために、強度や耐久性が十分に得られる最適な養生期間を推測することが難しいとされています。
土木学会や日本建築学会による規準書などには温度と大まかなセメント種類のみの目安が一律に示されているものの、ほかの条件はほとんど考慮されていないため、実際に必要な養生期間を把握することができませんでした。

そのため、コンクリートが十分な状態になったと判断して型枠から外しても、硬化不良や強度不足のために、ひび割れを起こしてしまうケースもあります。さらには過剰な養生によるコストの増大や、施工のスケジュール管理の難しさ、構造物の安全性の不十分さなどにつながることも問題視されています。

コンクリートの硬化状態には内部の水分量が大きく関係しており、また、水分量を把握するためには電気抵抗の利用が有効であることが知られています。伊代田准教授はこのことを利用し、型枠の中のコンクリートにステンレス製の針金をつなぎ電気抵抗値を得ることで、コンクリートの硬化状態や寿命を定量的に把握できる技術を確立しました。

電流の電位差を測定・解析することにより電気抵抗値を経時的に計測することで、温度や湿度など外気の状態に関わらず、施工者が必要とする数値が出た、すなわち所要のコンクリートの状態になったときに、養生を終了することが可能となります。また、数値からは長期的な耐久性も推測することができ、施工のスケジュール管理や構造物の安全性の担保にもつながります。

本技術について伊代田准教授は、2013年に佐藤工業(株)と共同で特許出願しており、今後、無人自動計測や無線ネットワークと連携し、現場にスタッフがいなくとも、現場事務所や技術研究所などでリアルタイムに施工中のコンクリートを効果的に管理できるシステムの実用化に向けてさらなる改良を図っていきます。

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