中尾晃揮さんが令和6年度土木学会全国大会 第79回年次学術講演会にて優秀講演者賞を受賞
2024/11/14
- 工学部
研究背景・目的
日本は軟弱地盤が多く、地震による液状化や地盤沈下の被害が深刻化しています。建築基準法の改正により、地盤調査が義務化され、適切な地盤改良による対策が必要不可欠となっています。しかし、従来のセメント系固化材を用いた地盤改良工法では、六価クロムの溶出問題が指摘されており、周辺地盤や作物への汚染が懸念されています。そのため、地盤汚染のリスクがない新たな施工技術の開発が求められています。
研究内容
軟弱地盤に掘削土と中性固化材(生石灰と混和材)を水平方向に押し込むことで、地盤の密度を高めて強度を増加させる水平方向圧密地盤改良工法(GSTC工法)を開発しました。本工法では、直径300 mmのアースオーガで掘削を行った後、掘削土と中性固化材を投入・圧密します。性能評価試験の結果、長期許容支持力度が最小で167.4 kN/m2、最大で259.3 kN/m2となり、従来工法の約3倍の地耐力を達成しました。
今後の展望
本工法は、セメント系固化材を使用しないため、環境への影響が少なく、残土処分が不要でコスト削減が可能です。また、養生期間の短縮による工期の短縮が図れ、植栽など幅広い土地活用が可能という利点もあります。今後は、各種試験の実施や分析を通じて、本工法の理論的な裏付けを行うことが課題として挙げられます。