2019年度事業計画

2019年度 学校法人芝浦工業大学 事業計画

学校法人芝浦工業大学
理事長 五十嵐 久也

はじめに

世界規模での重大変革期を迎えた今、学校法人芝浦工業大学は、将来にわたりわが国の持続的発展を担う理工学系人材育成を責務として、設置校を代表する芝浦工業大学を中心に学生・生徒のための学校経営を堅持し、建学の精神に基づく教育研究活動の展開に努めます。芝浦工業大学が創立100周年を迎える2027年に『我が国の理工学系私学としてトップの社会的評価を得る』という中長期目標のもと、教職員一丸となり、この実現に向け全力で取り組む所存です。
理事会は、2019年度もこれまでに続き、創立100周年を見据え諸施策の実施に努めます。重点施策テーマは、SGU事業推進とその全学的な支援体制構築、豊洲第二校舎建設諸作業の完遂、組織運営体制の強化、持続可能な財政基盤の確立、新基幹システム導入による業務効率化追求などであり、この実現に向け経営資源の戦略的な選択と集中を進めます。

2019年度事業計画

1.改革路線の継続

熾烈な大学間競争に勝ち抜き目標を実現するには、迅速な意思決定と他大学に負けないスピードで改革を実行することが必須です。理事会は、常に改革路線を堅持し、新しい価値創造のための経営イノベーションに継続して取り組みます。創立100周年に向け改革路線を教職協働で進めます。
改革継続、経営イノベーション推進を強化するため、組織改善を継続検討し、実現します。改善改革のスピードアップには教職員の意識改革が不可欠です。これに必要な事務職員の人事給与制度について、既に職能資格制度から職務資格制度へ改め、人事評価結果を処遇に反映させる仕組みとしました。教育職員についても、教育職員人事評価制度検討準備委員会を設置し、人事制度改革に向け検討を始めました。FDSD活動を通じた教職員の能力向上とともに、人事給与制度整備とその適切な運用を図り、組織の活性化を進めます。又、基幹システム刷新により業務効率化を図るとともに、時代に即応した重点分野への人材の集中配分を実現します。
学校法人の持続的発展を維持するには盤石な財務基盤の構築が不可欠であり、中長期的な財政見通しをふまえた計画的な財政運営を図ります。その一つとして、豊洲第二校舎建設に向け第2号基本金の組み入れを続けます。その他、2011年度より実施する全学的経費削減運動、収入増諸施策の検討、経常的な各種事業の視点を変えた見直しによる経費削減、予算策定方法や調達制度見直しなど、多様かつ現実的な改革を続けることで、引き続き盤石な財務基盤の構築を図ります。

2.教育研究改革

芝浦工業大学は『社会に学び、社会に貢献する技術者の育成』を建学の精神として設立され、有為な人材を社会に送り出すことで高い評価を得ています。その考えを現代に敷衍した『世界に学び、世界に貢献するグローバル理工学人材の育成』を目標に、2027年の創立100周年にも輝き続ける大学としての地位を維持し、更に前進するため、学長のもと全学的な教職協働による大学改革運動を展開しています。これらの活動と国際交流活動の確かな実績が評価され、2014年9月に文部科学省よりスーパーグローバル大学(SGU)に選定されました。
芝浦工業大学が目指すグローバル大学とは、世界水準の工学教育を教職学協働で進めることにあります。教育面では「学生に何を教えたか」ではなく「学生が大学の教育で何を学んだか」、学修成果を大切にします。学生視線に立つ世界水準の教育をめざし、学生が主体的に学習に取り組めるアクティブ・ラーニングの推進を図ります。その一環として、学生が課題解決に自ら取り組むPBL型教育を体系的に導入しています。芝浦工業大学は「アクティブ・ラーニングの推進」と「学修成果の可視化」をテーマに、文部科学省の教育再生加速プログラム(AP)の支援を受けています。SGUとAP事業の全学的な推進により教育改革を進めます。
研究力強化も重要です。教員は研究を通じ自らを磨き、学生のよき見本とならなければなりません。世界の理工系大学では、先端研究の現場で学生を鍛えることが常識です。既に豊洲キャンパスに最先端研究設備を備えた共通機器センター(テクノプラザ)を開設しており、その実質化を通じ研究活動支援の活発化を図ります。組織的な研究支援体制も構築し、教員の外部研究資金の積極的な獲得を推奨します。世界大学ランキングを意識した論文件数の増加と、世界をリードできる研究分野の構築を進めます。更に大学は地域とともに発展すべきという考えのもと、地域との連携研究も推進し、これらを総合し研究力の高い大学をめざします。 SGUとして、外国人教員の戦略的採用、教職学協働による国際化とダイバーシティ(多様性の受容)を積極的に推進します。これまで同様、英語による講義数の拡大や留学生増をめざします。又、文部科学省が推奨する国際理工学専攻と、システム理工学部に設置された海外留学を必修とする英語コースの充実拡大を進めるととともに、英語のみで学部学位を取得できるプログラムの導入を検討します。
ダイバーシティには男女共同参画推進も含みます。女性が活躍できる大学は、男性も力を発揮しやすい大学となるはずです。女性教職員及び女子学生を増やし、女性の活用を積極的に進め、女性が輝くことのできる理工系大学をめざします。
更に芝浦工業大学の強みの一つである建築系学科再編により誕生した建築学部では、グローバル化を視野に入れた世界水準の建築教育を進めます。

3.学生募集とキャリア教育

設置各学校の入試について、いずれも一定規模の志願者を堅調に獲得しています。特に芝浦工業大学では2年連続で過去最高の4万人を超える志願者を集めました。引き続き各学校の志願者の安定確保と、優秀な学生・生徒獲得のための施策を積極的に支援・展開します。また外国人留学生と女子学生の獲得に一層注力するとともに、文部科学省の高大接続改革の動向等もふまえ、総合的・多面的な入試を拡充し、学生募集におけるダイバーシティの充実・強化に取り組みます。
芝浦工業大学は「就職に強い大学」との社会的評価を得ており、就職率は極めて高い水準の実績を残しています。また高い就職率のみを追うことなく、質の高い就職先であるかを重視し、学生が真に希望する就職実現に向けたキャリア教育を展開することで、有名企業への就職ランキングでも上位にあります。我が子の自立を願う保護者の皆様の思いを真摯に受け止め、就職力向上のため学生の指導に尽力します。自分のやりたいことを学生に明確に意識させ、学生時代は人生で真剣に勉学に取り組む最後のチャンスであり、遊んでいる暇はないという自覚を促します。就職内定が決まりさえすればという安易な姿勢から脱し、より高い目標を設定し志望企業にチャレンジする強い気持ちを持つよう指導します。芝浦工業大学校友会、同後援会との連携も強固なものとし、学生の就職力向上、質の高い就職実現に向け協力体制を維持強化します。

4.学生支援の充実強化

芝浦工業大学校友会、同後援会との連携による就職支援、学生課外活動支援や留学生を対象としたインターンシップなどの各種イベントの継続実施、学生満足度調査アンケート結果をふまえた組織的な学生支援の充実強化などに努めています。又、SGUとして学生の海外留学への財政面を含む積極的な支援、TOEICスコアの向上による学生の英語力強化支援などを継続します。その他、SIT賞や課外活動奨励金など学生の課外活動に関する支援にも引き続き力を注ぎ、あるいは寮機能を有する施設確保などにより東京近郊における学生の居住環境の向上を検討します。

5.中高大連携強化と理系女子の育成

芝浦工業大学附属中学高等学校

2019年度は、女子第1期生を含む新豊洲移転開校後の芝浦工業大学附属高等学校入学生が3年生となり、芝浦工業大学への進学準備が本格化します。又、大学連携授業「Arts & Tech」を拡大・充実し、大学レベルに専門性を深める授業を行うなど、大学と連携した様々な取り組みを行います。芝浦工業大学への推薦希望者のうち成績優秀者を対象に行う早期推薦ならびに短期留学については、協力会社((株)エスアイテック)からの支援などを有効に活用し人数を拡大します。これまでのアメリカ、ニュージーランドに加え、カナダの高校への3ヵ月間の留学を新たに実現します。

芝浦工業大学柏中学高等学校

芝浦工業大学柏中学高等学校が、2018年度にスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に再度指定されたことを機に、これまで以上に大学との間で実施する中高大連携活動、例えば大学主催の国際PBLやシンポジウムに積極的に参加します。又、大学・大学院の留学生をTAとした課題研究、大学、柏中学高等学校、大学の海外協定校であるベトナムFPT大学、その付属高校との四者による相互交流などを推進し、更に生徒の要望などをふまえ、ワークショップなどの開催を大学と連携して企画します。 理系女子の育成については、大学・大学院の女子学生の協力、又は社会で活躍する女性を講師に迎え、「リケジョ・カフェ」を開催し、中学生からの女子のキャリア教育を充実させます。

6.キャンパス施設設備の整備

創立100周年事業である豊洲キャンパス第2期計画を着実に実施します。又芝浦キャンパス利活用委員会を設置し、芝浦工業大学の情報発信拠点としての芝浦キャンパス利活用を検討、実施する予定です。大宮キャンパスでは新たにグランドデザインを策定し、実現に向けたロードマップに基づく整備を開始します。更に、開校40年周年を迎える芝浦工業大学柏中学高等学校の校舎等将来計画の検討を開始します。その他、各キャンパス防犯体制強化、研究・教育充実のための施設設備整備、化学物質に関する安全管理を継続的に行います。

7.併設校強化

大学と推薦入学に関する協議を深め、基礎学力と意欲に優れた生徒を大学に入学させられるよう教育改革を推し進めていきます。同時に、2020年度の新大学入試制度や同じく2021年度に開始される新高校学習指導要領など日本全体の大きな教育改革に対応すべく準備します。施設設備の面では、遅れていた柏中高の教育ICT設備(Wifi環境、プロジェクター付ホワイトボードなど)の整備を進める方向です。これにより教育環境が大きく前進することが期待されます。又中高教員の働き方改革を進め、教員がより教育に注力できる環境を整備します。

8.地域貢献・社会貢献

これまで進めてきた地域や自治体と連携した教育・研究・社会貢献を一層進め、地域社会、また産学官連携の中核的存在としての大学の機能強化に努めます。又2020東京オリンピック・パラリンピック成功に向け本学に設置した五輪連携委員会を中心に、関係機関との協力連携を図ります。更にこれまで行ってきている子どもから大人までの幅広い世代を対象とした生涯学習公開講座について、芝浦工業大学の教育・研究成果を地域社会に還元し、あるいは学びの場を提供することを目的に、継続実施します。建築学部開設、附属中学高等学校の豊洲移転開校に合わせた記念講座の開講、子ども向け講座の拡充を図ります。

以上