渡邊 拓哉 さん(電気電子情報工学専攻2年)が電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会において学生奨励賞を受賞しました

【受賞者】渡邊 拓哉 さん(電気電子情報工学専攻2年)
【指導教員】森野 博章 准教授(通信工学科)
【発表題目】長距離車々間通信による情報伝播を利用した自然渋滞解消支援の性能評価

高速道路には、交通量が増えると事故等でなくとも、常に自然渋滞が生じる場所があることが知られている。その一つが、緩やかな下り坂のあとに緩やかな上り坂が続くサグ部と呼ばれる場所で、例として東名高速道路の下り大和トンネル付近などがある。車々間通信により、渋滞を早期に検出してドライバーに適切な速度制御を促すことで、渋滞を早期に解消する手法を提案することを目的としている。

既に渋滞している車列の最後尾に後ろから車が近づく際、通常よりも速度を落として近づくことで渋滞が伸びずにより、早期に解消することが知られており、渋滞吸収運転と呼ばれている。
本研究では、各車両が車々間通信で定期的に速度情報を交換し、速度が低下して渋滞が始まったことを検知すると、後方の車に渋滞吸収運転を行うように促すことで、渋滞の早期解消を図る。車々間通信で使用する無線通信方式には、従来一般的であった5GHz帯で動作し通信距離が最大100m程度の方式ではなく、アナログテレビで使われていた700MHz帯で動作し、最大通信距離が約1kmと想定される方式を用いる。通信距離が大幅に長い方式を使うことで、全体の一部の車両しか通信装置を備えていないような状況でも本方式の効果が発揮される。サグ部で実際に自然渋滞が発生した日時に取得した車両速度データを用いたシミュレーションにより、本方式を適用することで、サグ部での車両の平均走行速度が約10%向上することを明らかにした。

本方式は、盛んに研究開発が進められている自動運転技術の分野で、あまり考慮されていない問題に取り組んだものである。自動運転の車両、人が運転する車両の双方に新たに適用して効果が発揮されるものであるので、その効果をシミュレーションと実機実験で検証していくことが課題である。