安孫子晃さん、岡本隼樹さん、小林真由子さんが、アメリカ音響学会主催の「建築音響設計学生デザインコンペティション」(The 2017 ASA Student Design Competition) において入賞しました。

今回の課題は、都市市街地に建つ大学施設を想定し、それに付随した劇場・多目的スペースを中心とする複合的教育施設について建築音響の視点から建築設計・提案を行うものであった。
中心施設となるオーディトリウムおよび多目的リハーサルルームは、クラシックコンサートを対象とするだけではなく、室内楽や電気音響を使用するジャズやバンドアンサンブルほか、演劇や講演会、レクチャーなど多用途に用いられることが要求されたため、それらを満足させるために必要な建築音響的な性能を、以下の2点の観点から分析考察し、それらを実現するための建築設計提案としてまとめた。

1. 室内音響の観点から
オーディトリウム音場を設計するための心理評価量として、古屋研究室で研究を進めている要素感覚“響きの質感”(Texture of reverberation, TRV)を用い、「空間の響きのテクスチャーがなめらか」、すなわち「空間反射音の時間減衰性状がもみの木状(Fir tree)のように自然」になるように、空間の基本形態並びに天井・壁等の細部の形状や材料を音響シミュレーションにより考察、提案した。

2. 遮音・騷音制御の観点から
東京新宿駅に隣接した敷地条件のために発生する鉄道振動や交通騒音の伝搬に対して、所要空間の基本構成やレイアウト並びにバッファー空間の設置によって適正レベルまで制御するとともに、コンサート演奏音や講演会等における建物内部からの発生騒音や振動に対しては、使用する躯体構造や遮音構法・材料によって制御する設計提案を行った。

今回の受賞を機に、さらなるモチベーションをもって音場の響きの質にかかわる研究を進めていきたいと考えている。