小林 旦 さん(材料工学専攻2年)が日本金属学会において若手講演論文賞を受賞しました。

【受賞者】小林 旦 さん(材料工学専攻2年)
【指導教員】永山 勝久 教授(材料工学科)
【発表題目】無容器プロセスを用いたFe-Cu二相分離合金の凝固過程と微細構造

Fe (鉄) とCu (銅) の合金は、鉄の硬さと銅の電気伝導性を併せ持つ新素材として期待されている。しかし、重力の影響で水と油のように上下に分離してしまい、均一に混合できないため工業利用が困難とされている。本研究は、地上で宇宙材料実験を模擬できる無容器プロセスを用いて、無容器状態(無重力の一種で、容器を使わずに材料を浮遊させること)が金属組織に与える効果と、工業利用につながる可能性を検討することを目的とした。

本研究では、FeとCuの組成比および冷却速度を変化させた試料をそれぞれ作製し、過冷却発現に伴う微細構造を観察した。その結果、組成比を条件として卵型のコア構造と均一な分散構造の2種類の特異な組織生成が得られ、冷却速度を条件としてFeの樹枝状結晶成長が観察された。

地上重力環境では、均一組織生成が得られないと考えられていた合金系に対し、無容器プロセスによって、内外ともにない大きな成果を得た。また、宇宙環境を利用した材料科学実験は、近年の民間企業の参入によって飛躍的発展が期待されている。今後は、宇宙実験を踏まえて、重力による分離が確認されているその他の合金系に対し研究を行い、これまで工業利用が困難とされてきた分野にスポットを当てていく。