後藤彩さん(システム理工学専攻1年)が第40回日本神経科学大会においてジュニア研究者ポスター賞を受賞しました。

【受賞者】後藤 彩 さん(システム理工学専攻1年)
【指導教員】山本 紳一郎 教授(生命科学科)
【発表題目】Neural activities in the prefrontal cortex reflect the individual optimal attentional strategy under motor learning: an fNIRS study
(運動学習中における最適な注意の向け方を決定する前頭前野活動個人差)

運動パフォーマンス向上に重要な要素の1つとして「注意の向け方」がある。注意を向ける対象として、自分の身体動作あるいは外部環境(例えば自分が持って操作する道具など)の2種類があるが、どちらに注意を向けることでパフォーマンス向上が促進するかには個人差があることが近年指摘されている。本研究では、このような個人差に関わる脳の領域を明らかにするため、機能的近赤外分光法(functional near-infrared spectroscopy: fNIRS)と呼ばれる手法を用いて前頭前野の活動を計測した。
*本研究は、自治医科大学 脳機能研究部門 櫻田武 研究員ならびに自治医科大学 脳神経外科学講座 川合謙介 主任教授らとの共同研究において実施されたものである。

健常若年者・健常高齢者・急性期脳卒中患者を対象として、身体動作に注意を向けた際の脳活動を計測した。その結果、背外側前頭前野・前頭極と呼ばれる領域を含む左前頭前野の活動の強さは、運動パフォーマンス向上を促進する個々人の最適な注意の向け方と関連することが明らかとなった。左前頭前野は、身体感覚情報を保持することに重要な領野であることから、この領野の活動は運動者本人が、自分自身に注意を向ける能力の個人差を反映したものであると考えられる。

今回、運動中の最適な注意の向け方に関わる脳の領域が示されたことで、その個人差を客観的に判別することが可能となった。今後は、このような脳活動に基づく個人差判別を応用し、テイラーメードなスポーツ・リハビリテーション訓練手法の提案に繋げていきたい。