清水 麻里さん(材料工学専攻2年)が公益財団法人 日本科学協会の平成29年度 笹川科学研究助成を獲得しました。この研究助成は、独創性・萌芽性をもつ研究、発想や着眼点が従来にない新規性をもつ若手の研究を支援するものです。

【受賞者】清水 麻里さん(材料工学専攻2年)
【指導教員】湯本 敦史 准教授(材料工学科)
【採択題目】超音速フリージェットPVDによるナノ結晶窒化アルミニウム厚膜の開発

窒化アルミニウム(Aluminum Nitride : AlN)は、さまざまな優れた特性を有することから注目を集めている材料である。近年の電子機器の小型化に伴い、半導体の小型化や高機能化が加速し、内部部品に薄膜が主流として用いられるようになっている。しかし、薄膜は動作時の電圧に耐えられず内部欠陥が生じてしまうため、厚膜の作製が求められている。AlN膜はさまざまな方法にて作製されているものの、厚膜の作製が困難であり、環境にクリーンな方法が確立されていない。そのため、絶縁特性を向上させることを目的に、新規技術として超音速フリージェットPVDを用いてAlN厚膜を作製し、比較検討を行った。本法により作製したAlN膜は、最大で673kV/mmと非常に高い絶縁破壊強度を有していることが確認された。

AlNは高い絶縁性を有していることから、次世代パワー半導体の材料として注目を集めている。現在はシリコンを主体とした電子デバイスが作製されているが、材料特性の限界に達しており代替材料が求められている。その代替材料としてAlNが期待されている。AlNは高い熱伝導率も有していることから、今後は他のアプリケーションへの応用も検討していく。

※絶縁破壊強度:絶縁体に流す電流を増大していくと、ある限界以上で急激に絶縁性を失って大電流が流れるようになり、これを絶縁破壊と呼ぶ。この絶縁破壊に必要な最小の電界を絶縁破壊強度と呼ぶ。