芝浦工業大学(東京都江東区/学長:村上雅人)が実施する授業「システム工学特別演習」、「産学・地域連携PBL※」において、学生のチームが埼玉県川口市の企業と共に、段差を乗り越えやすい機構を搭載した車いすを開発しました。
学生が企画から設計、プロトタイプの製作まで行い、前後輪に中輪を加えた6輪という機構を考案、手元にあるレバーを前後に操作することで前輪と中輪で容易に段差を乗り越えられ、脱輪にも強いものとしました。
株式会社栄精機製作所(埼玉県川口市)を中心とした川口市内の企業の技術力に学生のアイデアを加えて新しい「MADE IN 川口」の製品をつくり、川口市の産業振興と技術の伝承を行うことを目的に実施している本プロジェクト。今後製品化に向けた具体的な課題解決と改良を行い、引き続き学生と企業で共に取り組んでいきます。

※産学・地域連携PBL・・・実際の企業や自治体との取り組みを通じて、地域の課題を解決しながら実践的な人材育成を目指す授業

背景

川口市は古くから鋳物のまちとして知られ、現在も機械・金属工業産業が数多く存在しており、国内最高峰の技術を持っています。
今回、企業から芝浦工業大学に、川口市の技術を使ってビジネスになるB to Cの製品をつくれないかという相談がありました。そこで、2014年4月から大学院システム理工学専攻の授業「システム工学特別演習」にて大学院生6名によるアイデア創出を行い、9月中旬から「産学・地域連携PBL」において、大学院生2名と学部3年生2名、計4名でチームを組み、栄精機製作所を中心にした川口市内の企業とともに、プロトタイプ製作プロジェクトをスタート。川口市の産業振興に寄与するため、企業の高い技術力を盛り込んだ新たな機能を持つ車いすを開発することになりました。

開発した前輪と中輪の機構
開発した前輪と中輪の機構

機構の特徴

これまで、車いすで段差を乗り越えるときや車輪が溝にはまったときなどには体重移動で前輪を浮かす操作が必要でした。しかし、転倒する危険をともなうため、学生たちは、この問題を解決して段差や脱輪に強い新たな機構とすることをコンセプトとし、設計、プロトタイプの製作を行いました。開発したのは、尺取り虫の動きを参考にした、前輪、中輪、後輪の計6輪の機構。手元のレバーを前後に動かすことで容易に段差を乗り越えたり、溝から車輪を持ち上げることのできる設計としました。

1.通常は中輪と後輪で走行
1.通常は中輪と後輪で走行
2.レバーを奥に倒すことで前輪が段差の上に接地
2.レバーを奥に倒すことで前輪が段差の上に接地
3.さらにレバーを倒して進むことで段差に乗り上げる
3.さらにレバーを倒して進むことで段差に乗り上げる
4.前輪に続いて中輪も段差の上に接地
4.前輪に続いて中輪も段差の上に接地

今後の展開

製品化に向けては、衝撃の吸収・強度改善のための素材の検討や、後輪を段差に乗り上げるための工夫、既存の車いすへ搭載するための装置化などの課題があるものの、今回の学生の提案は、企業からも高い評価を得ています。今後は、引き続き学生と企業で打ち合わせや実験を重ね「MADE IN 川口」としてビジネスになる製品を目指して取り組んでいきます。
このように芝浦工業大学では、実際に企業とともにものづくりを行う実践的な授業を通じて、アイデアと技術で課題を解決し、地域に貢献できる人材を今後も引き続き育成していきます。

お問い合わせ先

芝浦工業大学
企画広報課

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