今、学生に
求められるもの

日本の大学生は勉強しない?

急速にグローバル化が進む世界。少子高齢化、情報化社会。こうした社会変化により将来の予測が難しいといわれる時代を生きぬく人材として、主体的に考える力をもった人が求められています。
こうした中、大学においても授業に主体的に取り組むことが必要ですが、アメリカと比較しても日本の学生は授業時間以外にあまり勉強しないと言われています。
芝浦工業大学生も、半期履修しているすべての科目の準備のために費やしている時間は、週7時間程度(平均)しかありません。半期12科目とすると、なんと1科目あたり30分程度!また、大学で何を学んだのか、その成果を「見える化」することが必要です。

一方通行の授業科目

一方で、大学が提供する授業科目、演習や実験などで行われるディスカッションやグループワークは、みなさん学生の主体的な参加を促し、主体性を育むアクティブ・ラーニング(能動的学修)に効果的と言われていますが、本学でアクティブ・ラーニングの要素を導入した科目は、30%に留まります。特に大人数の講義科目においても、アクティブ・ラーニングを導入する必要があります。

企業からも求められる主体性

企業が採用選考時に重視する能力の調査を行うと、ダントツ1位の「コミュニケーション能力」はもちろんのこと、毎年60%以上の企業が「主体性」を重視しています。「語学力」は7%に留まり、英語はできて当たり前!?道具として自在に使えるかが大切という意見もあります。本学の合同企業説明会に参加する企業でも、芝浦工業大学生に「主体性」を求める企業が60%を超えています。
「主体性」は、今の社会を生きぬくために必要不可欠

芝浦工業大学の
取り組み

芝浦工業大学は平成26年度 文部科学省「大学教育再生加速プログラム(AP)」に採択されました。
Acceleration Program for University Education Rebuilding
「大学教育再生加速プログラム(AP)」は、国が求める教育改革が達成できている大学を対象に、 国の方向性に合致した、更なる改革の取り組みを支援するものです。 本学はアクティブ・ラーニング、学修成果の可視化について以下の取り組みを進めていす。

4年間を通じて、アクティブ・ラーニングを導入

既にいくつかの科目に導入している、グループで課題解決に取り組むPBL(Project/Problem Based Learning|課題解決型学修)など、講義科目を含めたアクティブ・ラーニング科目を4年間のカリキュラムに配置します。アクティブ・ラーニングを導入した科目はシラバスに明示され、履修登録の際に確認することができるようになります。また、大人数の講義にも、「クリッカー※」を使った双方向の授業を実現します。
※クリッカー(学生のみなさんがボタンを押すことで、簡単なテストやアンケートの回答結果がリアルタイムに集計・映写される仕組みです)

皆でディスカッションするPBLのような科目には事前の準備が欠かせません。現在、図書館のグループ学習室や大宮キャンパス5号館の「イ・コ・バ」など、授業以外でも利用できる学修環境を整えています。また、現在導入している「スーパー英語」など、自宅やPC実習室のPCからでも学修可能なeラーニングを積極的に導入することで、みなさんの学ぶ意欲をサポートし、単位取得に必要な学修時間を確保します。

振り返りにより成長度合いを実感

学修ポートフォリオにこれまでの軌跡を入力していくことで、これまでの学修の成果が振り返ることができるようになります。ルーブリックという、学修到達状況を評価するための評価基準表を使って自己評価することで、学科の教育目標にどれだけ近づけているかが確認できます。

学生自らが参加する「教」・「職」・「学」協働の教育・学修改革

本学ではSCOT(Student Consulting On Teaching|学生による授業コンサルティング)制度を導入し、みなさんの視点に立った授業改善に取り組んでいます。
SCOTは、トレーニングを受けた学生が、希望する教員に対して、授業を観察して記録した情報を提供します。
例えば、板書の仕方、教室内の行動範囲、学生の参加度合いなど、事前に希望する教員と話し合って決めた観察の視点について記録し、情報を提供することで、みなさん自らが授業の改善に参画することができます。
2012年度から数名の学生がSCOTとして授業改善のお手伝いをしていますが、2015年度からはこれを制度化し、「学生の視点」から授業を改善していきます。また、学生が参加する教育改革のためのワークショップも開催します。

成果・目標

アクティブ・ラーニングの拡充

アクティブ・ラーニングを導入した授業科目の割合
30%(平成25年度)65%(平成30年度)
1人あたりのアクティブ・ラーニング科目受講数
7科目(平成25年度)15科目/年間(平成30年度)

学ぶ意欲のサポート

グループ学習室、eラーニング利用などを通じた授業外学修
7時間(平成25年度)36時間/週(平成30年度)

教育目標への到達度をふまえた満足度

学修ポートフォリオの利用率
80%(平成30年度)
授業の満足度
69%(平成25年度)76%(平成30年度)
(授業に関するアンケートの回答)

スケジュールモデル